あやしい水槽

海水魚 サンゴ 海藻  あやしい記事とピンボケ写真.そして誤字脱字...

04« 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. 15. 16. 17. 18. 19. 20. 21. 22. 23. 24. 25. 26. 27. 28. 29. 30. 31.»06

このページの記事一覧

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告 *  TB: --  *  CM: --  * top △ 

水槽と照明 その17 海域による光の透過率 

前回,前々回で,
水槽と照明 その15 太陽光のスペクトル
水槽と照明 その16 海中の光スペクトル(AM1.5)
と海中の光スペクトル分布を検討しましたが,海水の吸収係数としては
一つのパターンでのみ扱ってきました.
この海水の吸収係数が海域ごとに異なるということが分かったので
今回,記事にしてみました.



共研している,とある大学の図書館で面白そうな書籍を見つけたのですが,
その中に,海域ごとの海水の光の透過率に関する記載がありました.
参考文献1)の海洋開発の6巻です.発行は昭和45年と非常に古いものです.

それによれば,海域によって光学的に特性の異なり透過率が変わる
とのことで,水の形式といった呼び方をしています.
具体的にどのような特性をもって水の形式と分類するのかまでは記載されて
いませんでしたが,世界中の多くの海域の水の透過率を調べた研究者が
いらしたようです.参考文献2)に記載した書籍の引用のようです.

光学的な水の形式を,Ⅰ,ⅠA,ⅠB,Ⅱ,Ⅲ,1,3,5,7,9 と分類しています.
(2,4,5,6,8)があるのかは不明)このうちⅠ~Ⅲは大洋,1~9は沿岸の海水です.

海域毎に水の形式を調べた結果を分類してⅠ~Ⅲと記入された世界地図が記載
されていたので,できるだけ忠実に世界地図の中に水の形式Ⅰ~Ⅲを書き込んで
みました.この世界地図のデータそのものはインターネット上で見つけた
フリーの素材です.

光学的な水の形式の地域分布

そして,水の形式Ⅰ~9までの海中の光の透過率の波長依存性のデータが
表になっていたので,グラフにして表示させてみました.
海域の透過率1s
左のグラフは水深1mでの光の透過率,右は10mでの透過率を波長毎に表しています.
数字が若い程に光の透過率が高く,数字が大きくなると透過率が低下しています.
このことから,数字の大きい海域は光の透明度が悪い,濁度が高い海水であろうと
思われます.
このデータを見て海域ごとの海中のスペクトルを検討したくなりました.


参考文献1)では,光波長25nmごとの透過率のデータのみ記載されていましたので,
海中の光スペクトルの計算にこのデータをそのまま使ったのでは,分解能がやや足りません.
グラフ内の点がデータで線はexcelが勝手に引いたものです.
上のグラフのデータ間の線はexcelのスムージング機能を使ったもので,
これからはデータ間の値を求めることはできません.
このスムージングは移動平均によるもののようです.
元のモデルとなる関数が分かれば最小二乗法でフィッティングできますが,
そうも行かず,そこで離散的な25nmステップのデータを3次のスプライン補間を行って,
連続的なデータを得ました.
具体的には25nmステップのデータからスプライン係数を求め,透過率を光波長の
関数として適合関数を求めました.
スプラインによる補間したプロットが次のグラフです.
海域の透過率2s
長波長側のデータは700nmまでしか記載されておりませんでしたが,
�~�に関しては,スプライン関数で延長した予測によるデータが
いい感じのものになりましたので,780nmまでグラフ化しています.
この辺りの波長帯は吸収が大きいので,誤差の影響も小さいものと
考えています.

さらに,この光の透過率のデータから吸収係数を求めてみました.
その結果がこちらのグラフです.
参考までにこれまで参照していた海水の吸収係数と蒸留水の吸収係数を
同時に記載してみました.
海域の吸収係数1s
水深1mのデータと10mのデータからそれぞれ吸収係数算出しましたが,
1mのものと10mのもとはかなりの精度で一致します.
どうも,参考文献1)に記載されていた1mと10mの透過率は,
同じ吸収係数から算出されたものだと思われます.

ということで,様々な海域の海水の光の吸収係数を得ることができました.


(参考文献)
1)佐々木忠義 海洋開発 第6巻 開発・機器 S45.2.15 海洋開発センター出版局
2)N.G. JERLOV : Optical Oceanography (E1sevier Publishing Co. 1968)

------------------------------------------------------------
水槽と照明 その16 海中の光スペクトル(AM1.5)
水槽と照明 その15 太陽光のスペクトル
水槽と照明 その14 色温度(後編)
水槽と照明 その13 色温度(前編)
水槽と照明 その12 メタハラとLEDの比較
水槽と照明 その11 メタハラとLEDの色度
水槽と照明 その10 光合成光量子束密度(PPFD) の単位変換
水槽と照明 その9 光源色の可視化
水槽と照明 その8 LED照明の光合成光量子束密度(PPFD)
水槽と照明 その7 事例(4)
水槽と照明 その7 事例(3)
水槽と照明 その7 事例(2)
水槽と照明 その7 事例(1)
水槽と照明 その6 側面ガラスの反射光
水槽と照明 その5 蛍光灯照明のモデリング
水槽と照明 その4 メタハラの特性
水槽と照明 その3 ガラス蓋と光損失
水槽と照明 その2 光線追跡
水槽と照明 その1 海水の光の吸収
------------------------------------------------------------

にほんブログ村 観賞魚ブログ 海水魚へ

テーマ:海水魚

ジャンル:ペット

この記事に対するコメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURL
→http://allergy4416.blog54.fc2.com/tb.php/151-e4ff0419
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。